別れさせ屋さん、その話は本気で言っているのでしょうか?

今回は別れさせ工作について色々考えてみたいと思います。

別れさせ工作が違法かどうか?という点から依頼者に気を付けて頂きたい事を説明させて頂き、そこから本題に入ります。

本題とはそもそも依頼者が望んでいる事、別れさせ工作を行う意味、別れさせ工作の成功率、等に関する疑問点についてです。

前置きが長くなってしまいますが、是非最後まで読んで頂きたいと思います。

世の中の別れさせ工作がどれだけおかしいのか、多くの別れさせ屋や一部の復縁屋がどれだけおかしいのか、という事を暴露します。

別れさせ工作は違法かどうか?

多くの別れさせ屋や一部の復縁屋で、別れさせ工作は違法ではない、と書かれています。

その根拠は2018年に大阪地裁で出された判決を基にしています。

別れさせ工作が公序良俗に反するかどうか?が争点となった裁判です。

簡単に説明すると「元恋人の女性との復縁を望む男性依頼人が探偵業者に別れさせ工作を依頼。女性工作員を元恋人女性の交際男性に接触させ連絡先を交換。男性側からの誘いで食事を重ねた。元恋人女性と一緒にいた男性に女性工作員が声をかけ、男性の二股交際を暴露。その後2人は別れた。目的を達成した後、依頼人と連絡がなかなか取れなくなり成功報酬を支払わないため業者が未払い分70万円の支払いを求め提訴。依頼人は、性的関係も厭わない行き過ぎた工作で契約は公序良俗に反していて無効と反論した。」という話です。

※日経新聞のリンクを貼っておきます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34764120Q8A830C1AC1000/

公序良俗に反していなければ違法ではない

この案件に関して言うのであれば判決で出たように性的関係の事実はなく、「接触は人倫に反し、人格や尊厳を傷つける方法ではなく、公序良俗に反するとまでは言えない」と結論付けられ違法ではない、となります。

もし女性工作員と元恋人女性の交際男性との間に性的関係があれば判決は違った事でしょう。

ですから争点が公序良俗に反するかどうか?という点になっています。

工作員が肉体関係を結ぶ等の社会的相当性を欠く方法が予定されていなかったから公序良俗に反していなかった、となり、もし肉体関係を結ぶ等が工作の際に用いる方法となっていれば公序良俗に反している、となっていたでしょう。

この案件は公序良俗の指す事が肉体関係になっていますが、公序良俗とは民法第90条で、ある行為が法律の明文に反しない場合であってもその行為が社会的妥当性をもたないものである場合これに対して法律的効果を与えないという規定になります。

例えば、民法では次のようなものが相当します。

(1)正義の観念に反し、犯罪その他不正行為を人に勧め、又はこれに加担する契約。

(2)暴利行為として、取引において相互に交換価値のやや等しい給付をすることから著しくかけ離れた取引、又は相手方の無思慮・窮迫に乗じた契約。

ですからもし別れさせ工作で業者が肉体関係以外でも別れさせる為に事実無根の悪い噂を流布する、事実無根の話をでっち上げる、等の社会的相当性を欠く方法を工作方法として予定していればその場合も公序良俗に反しているとなります。

別れさせ工作は違法かどうか?は工作内容次第

世の中の別れさせ屋や一部の復縁屋の別れさせ工作の提案内容を聞くと「会社は関与していないが、工作員が成功報酬のため自主的に肉体関係を使うことはあります」と説明する業者があるようです。

この時点でこの業者は工作員の違法行為を黙認している業者となりますのでアウトです。

他にも対象者に対しての悪い噂を流す、借金問題などをでっち上げる、浮気しているような写真を見せる、等、事実も根拠も証拠もないのに工作方法として提案する業者もあるようです。

けれどこういった提案は対象者を不当に貶める行為であり、正義の観念に反し、不正行為を人に勧める行為で公序良俗に反しているのでアウトです。

もしこの提案をする業者と契約してしまえばこれに加担する契約をしたとなり、依頼者も公序良俗に反しているとなります。

ですから別れさせ工作は内容によっては依頼者にも害を与える可能性のある非常にリスクの高い工作となります。

そもそも違法かどうかの問題でしょうか?

前置きが長くなってしまいましたが本題に入らせて頂きます。

大阪地裁の件で考えるとそもそも依頼者男性は元恋人の女性との復縁を望んでいるという話です。

確かに元恋人の女性に交際男性がいれば復縁は難しいでしょう。

けれど元恋人の女性に交際男性がいなくともこの男性には復縁は難しいでしょう。

そうは思わないでしょうか?

男性の詳細については書かれていませんが、別れた女性を追いかけ続け、別れた女性の新しい恋人との恋愛の邪魔を考え、依頼しておいて金銭を払いたくない、という男性を魅力的に感じる人なんてどこにいるのでしょうか?

はっきり言ってしまえば元恋人の女性に付き合っている人がいるかどうかなんてこの男性の復縁には全く関係ないのです。

何故ならこの男性はこの時点では復縁出来ない人だからです。

元恋人の女性に付き合っている人がいるかどうかで復縁の可能性が変わる人ではありません。

この男性が復縁したいと考えるのであれば元恋人の女性が復縁を考えてもいいという人に変わる事が必要ですし、その上で元恋人女性の交際男性より魅力的になる事が必要です。

確かにこの男性が変われば必ず復縁出来るという訳ではありませんが、一つだけ確実なのはこの男性が変わらない限り復縁出来る事はないという事実です。

ですから元恋人の女性が交際男性を別れても復縁出来ないのに復縁したい男性に別れさせ工作を提案し、提供している事が理解出来ません。

別れさせたいという希望の人に対するサービスであれば理解出来ますが、復縁したいという希望の人に対するサービスとなるとやる意味がないので理解出来ないのです。

別れさせ工作の成功率は?

大阪地裁の件は別れさせ工作が成功していますが、あくまで別れたのは男性の二股交際を暴露した時ではなく、その後、です。

という事は異性と食事に行っていた事は引き金にはなったかもしれませんが、それ以外の理由で別れた可能性もあるとなります。

そこで工作内容を一般論に当てはめて考えてみるとどうなるでしょうか?

もちろんその人の性格に左右されますが、付き合っている人がいる状態で異性と知り合って自分から頻繁に連絡する人ってどれ位いるのでしょうか?

積極的に食事に誘う人ってどれ位いるのでしょうか?

正確な割合は分かりませんが半分くらいではないでしょうか?

これもその人の性格に左右されますが、付き合っている人が肉体関係なしに異性と食事に複数回行ったという理由で別れを決意する人ってどれ位いるのでしょうか?

考えてみて下さい、あなたは付き合っている人が異性と食事に行っていた事だけが理由で別れを決意しますか?

別れるという人もいるでしょうが、相手がきちんと反省して謝罪してくれたら許すという人の方が多いのではないでしょうか?

肉体関係があれば別れるという人の方が多くなると思いますが、異性と食事に行った事で別れるという人の方が多くなるとは思えません。

そう考えると公序良俗に反しない別れさせ工作の成功率ってかなり低いとなります。

元交際相手が別れたら復縁出来るという理屈は成り立つの?

復縁を前提としている場合の別れさせ工作って意味があるのでしょうか?

対象者が二人とも好きでどちらか選べない、二人とも好きだけど今はあちらと一緒に居たい、という場合に一方と別れれば復縁出来るという場合はあると思うのでその場合であれば意味はあるでしょう。

けれど完全に別れてしまっている過去の恋人が今付き合っている人と別れたからといって前の恋人に戻ってくるという確率ってどれくらいあるのでしょうか?

戻ってくる確率より新しい人を探す確率の方がはるかに高いのではないでしょうか?

魅力的な人であれば過去の恋人が戻ってくる事はあると思います。

けれど元恋人を今の恋人と別れさせたいと考えるような人で魅力的な人がいるとは到底思えません。

そんな事を考えるくらいなら自分の魅力をどうアップさせるかという努力をする方が意味があると思います。

復縁出来ない人間性の人が元恋人が別れたら復縁出来る可能性があると考えるより、復縁出来ない人間性を復縁出来る人間性に変えれば復縁出来る可能性があると考える方が間違いなく建設的な考え方です。

別れさせたら復縁出来ると考えているような人の復縁の成功率ってかなり低いとなります。

復縁したい人が別れさせ工作を考えた場合

復縁したい人が別れさせ工作を考えた場合、別れさせ工作の成功率が低い、別れさせ工作を考えるような人の復縁の成功率が低い、となり低い×低いでほぼ成功率がないという形になります。

むしろ復縁を望んでいるのに何故復縁の成功の確率を低くする方法を考えるのか疑問を感じます。

ただその原因は別れさせ屋や一部の復縁屋にあります。

何故かと言うと、相手が別れたらあなたが復縁出来ます、的な話をするからです。

普通に考えるとそんな話を本気で言っているのか疑問しか感じませんが、復縁したい人が復縁したくて色々な別れさせ屋や復縁屋に問い合わせるとどこも同じように相手が別れたらあなたが復縁出来ます、的な話をします。

その結果、一種の洗脳ではないですが、そうなのかな?と感覚がマヒしてきてしまうのです。

その結果、復縁したいのに元恋人を別れさせるという別れさせ工作の依頼をしてしまうのです。

そして別れさせ工作が成功しない、別れさせ工作に違法性がある、仮に別れさせ工作が成功しても復縁出来ない、となっています。

別れさせ工作が公序良俗に反するかどうかが問題ではなく、別れさせ工作が復縁に繋がらない事が問題なのです。

復縁したいと本気で思うのであれば別れさせ工作を考えてはいけないのです。

補足

別れさせ屋や一部の復縁屋で、好きな人を別れさせたらあなたが付き合えますよ、という形で別れさせ工作を提案したり、勧めたりする事も多いようです。

そして実際に好きな人と付き合いたいという理由で別れさせ工作を依頼している人もいます。

しかしこの場合は悲惨な結果しか迎えません。

何故かと言うと、自分でどうにか接点を作る事が出来ないという人は付き合えない人で接点があってもどうにも出来ない人は付き合えない人で好きな人を別れさせたいと考えるような人は恋愛が出来ない人でその上で別れさせ工作の成功率が低い、別れさせ工作を考えるような人の復縁の成功率が低い、となるので付き合えない人×恋愛が出来ない人×成功率が低い×成功率が低い、とう図式になるからです。

こういったケースで別れさせ工作を勧めている別れさせ屋や一部の復縁屋は限りなく悪質です。

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